たまにはこんな休日
シュナイゼル様はいつも忙しい
毎日のように御公務があって、毎日のように誰かがシュナイゼル様に会いに来る
毎日朝早くからお出かけして、毎日夜遅くお帰りになる
毎日忙しいシュナイゼル様
我侭言っちゃいけない
僕の傍にいて
僕とお話して
僕を抱っこして
そんな我侭言っちゃいけない
シュナイゼル様は忙しいのだから
寂しいなんて言っちゃいけない
「おはようお寝坊さん・・・・ククッ」
目を覚ましいつものようにダイニングへ行くとそこにはいつも居ないシュナイゼルの姿
スザクは驚いて何度も瞬きをして確認する
そんなスザクが面白かったのだろう。シュナイゼルはクスクスと笑いながらスザクの手を引きテーブルへと着かせた
「シュナイゼル様、今日のお仕事は?」
スザクにはシュナイゼルが自分を見て笑っている事等気にならなかった
気になっているのはたった一つ
「休みだよ」
「!!」
気になっていることの答えを貰い、スザクの表情が輝いた
しかしすぐにそれは寂しげなものに変わる
シュナイゼルは忙しい
毎日毎日朝から晩までこのブリタニアの為に働いている
たまの休日も、すぐに問題が起きたと呼び出され宰相府に出かけて行ってしまう
きっと今日もそうなのだ
スザクはどうせすぐにそうなるであろう未来の出来事に落胆した
「・・・・」
そんなスザクを見ていたシュナイゼルはクスリと笑った
「・・・シュナイゼル様・・・」
「なんだい?」
「電話鳴ってます」
サンルームのソファでスザクの膝に頭を乗せ、シュナイゼルは寛いでいた
傍にある携帯には、引っ切り無しに電話がかかってくる
シュナイゼルはその全てを無視していた
「・・・出なくて良いんですか?」
スザクはおずおずとシュナイゼルに問いかける
出て欲しくない電話
けれど誰かがシュナイゼルを必要としているのなら と何度もスザクを諦めさせた電話
「・・・出ないよ」
「!どうして?」
もしかしたら国にとって重大な事件が起こったかもしれないのに
スザクはシュナイゼルの言葉に非常に驚いた
「本当に重大な問題があったら電話だけじゃなく屋敷にまで人が来るさ」
「・・・でも・・・」
「スザク」
「はい?」
「今日はお休みの日だ」
だから休ませてくれないかい?
シュナイゼルは身体を起こし、スザクの鼻に軽く口付けた
「///」
「愛しい人と過ごす休日を私に与えてくれないか?スザク」
スザクはニッコリと微笑むと、何度も何度も頷いた