「私が勝ったら枢木卿を頂きたい」
「おや?」
「は?」
「へ?」
「え?」
「・・・記録」
真・朱禁城の花嫁
突然パーティに乱入したゼロ
その彼がシュナイゼルにチェスを申し込んだ
賞品としてゼロはスザクを
シュナイゼルは仮面を取るように約束すると、別室で戦う事となった
「なぁなぁ、なんでゼロはお前を賞品に希望したんだ?」
ぞろぞろと別室へ向かう途中、がしっとジノはスザクの肩に手を回す
それによってスザクの体がぐらりと傾いた
「知らないよ、ゼロに聞けば?っていうか、重い!!」
「スザクちぃこいもんなぁ」
あははは と笑うジノにスザクは回し蹴りを試みるが流石ナイトオブスリー
ひょいっと避けてしまう
「とどいてないぞ〜」
「避けるな!」
「・・・記録」
ぎゃあぎゃあと目の前でラウンズ三人(正確には二人)がじゃれている
それを彼らの後ろで見ていたゼロはごうごうと嫉妬の炎を燃やしていた
(おのれ、ジノ・ヴァインベルグ!俺のスザクに!!!)
かつてはアッシュフォードでラブラブだったスザクとゼロことルルーシュ
だがゼロの正体が知れ記憶を操作された以降はそんな甘い雰囲気になる筈も無く、独り寝の寂しい日々
そんな中、作戦の為にやって来てみればお仕事中のスザクと再会
これは大チャンス とシュナイゼルにスザクを景品として申し込めばあっさりとOK
ゼロの耳には教会の鐘が鳴り響いていた
と、言うのに・・・
「本当にスザクって可愛いなぁ」
「可愛いって言うな!」
「可愛いって。もし女の子なら私のお嫁さんにするのに」
「誰がジノなんかと結婚するか!!」
「スザクは可愛い。私も認める」
「・・・アーニャ・・・」
「流石w解ってるね、アーニャ」
あのジノという男はゼロの神経を逆撫でするようにスザクにちょっかいを仕掛けるのだ
(くっそう!羨ましい!!)
自分だってスザクに抱きつきたい
可愛いって囁きたい
あの細腰に手を回したい
あのちぃこいお尻を撫で回したい
ゼロはかつて無いほど燃えていた
(シュナイゼルを秒殺し、ジノを瞬殺してスザクを手に入れる!!)
最早当初の目的は忘れたかのようなゼロにカレンはガクリと肩を落とした
「殿下にチェスで勝てばスザク君が貰えるなら、僕も対戦しちゃおうかな」
「は?」
「ふぇ?」
「へ?」
「・・・記録」
はいはーい
と手を上げているのはロイド・アスプルンド
スザクの後見人で専用機ランスロットの開発者
「な・・・なにぃ!!」
ゼロはオーバーアクション&大声で驚いていた
ロイドという男はゼロの中でスザクに対して危険人物トップ3に入っている男
(一位はシュナイゼル
二位ロイド
三位皇帝又はV.V.・・・と続く)
しかも常にスザクと行動を共にしている為、ある意味最強の敵でもある人物
まだスザクとルルーシュがラブラブしていた頃も、
『ロイドさんがね・・』
『ロイドさんに呼ばれてるから、ごめんね』
『今度ロイドさんが』
口を開けばロイドさんロイドさんと言っていた
(やはり出てきたか・・・貴様だけには!!)
「絶対に負け----ん!!」
びしぃ!とロイドに指差すゼロ
あはぁwと指されたロイドも「負ける気がしないね」と笑っていた
その後もセシルやらミレイやら花婿であるはずのオデュッセウスまでもが戦いに立候補していた
ここに『枢木スザク争奪戦』のゴングが鳴り響いた
「・・・記録」
ぴろりん とアーニャがデジカメにその様子を記録していたとかいないとか
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「・・・・皆、なんだか怖い顔してるね・・・」
「欲望丸出し」
「アンタって罪作りな男よね」
「あら、スザク兄様は天然なだけですわよ」
そこが可愛いところなんですw
ごうごうと熱気の篭った『第一回 スザク争奪戦朱禁城大会』をベランダで眺めながら、スザク・カレン・神楽耶・アーニャの四人が和やかに会話する
「あのね、可愛いっていうのはアーニャや神楽耶、カレンや天子様みたいな可愛い女の子に使う言葉なんだよ?」
「まぁ、ありがとうございます。でも、兄様にはかないませんわ」
「・・・そして天然のタラシ。本当にアンタって・・・」
「・・・それがスザクの魅力。皆それにやられた」
貴女もその一人でしょ?
アーニャにそう質問されたカレンは、驚いた後、にんまりと笑った
「・・・・アンタもね」
「そう・・・誰にも渡さないの」
ぴろりん
後日アーニャのブログに、何故かカレンと固い握手をしている彼女の姿が映っていて、「いつの間に仲良くなったんだろう?」と首を傾げるスザクの姿があったという・・・
結局勝負つかずで終わったこの大会
第二回開催はいつですか!?とシュナイゼルのところに世界各国からの問い合わせがあったらしいです・・・
シュナ様がたくさん出た回。そしてルル(ゼロ)スザだった回
思い出深いですねw