孤独を愛する寂しがり
ナイトオブスリー ジノ・ヴァインベルグには恋人がいる
それはナイトオブセブン 枢木スザク
元イレヴンの名誉ブリタニア人
性別 男
「?なに?ジノ」
茶色い髪に翡翠色の目、童顔
すぐに壊れてしまうんじゃないかと思うほど華奢な体
なのに体術でもKMFでもナイトオブラウンズの名に相応しい実力の持ち主
「ん〜・・・スザクのことを考えていた」
なにそれ?とスザクは笑う
ジノはスザクを抱き寄せると「だってさ」と以前のスザクを思い出した
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「お前ってどうしていつも一人なんだ?」
それはスザクがラウンズになって半年経ったころにジノが口にしたセリフ
ラウンズに入ってきたスザクは常に独りだった
元々他のラウンズたちも群れたりする性格ではなかったのでスザクだけが浮いているというふうには見えないのだが、ジノにはどうしても気になった
何故なら彼が笑わないからだ
ジノは元々愛想が良い
ラウンズたちの集まるサロンなどでは常にジノが場の雰囲気を盛り上げている
その時は他のラウンズたちも楽しげに会話に加わってくるのだが、スザクだけが離れた場所にいる
ジノがどんなに話しかけても「ああ」とか「はい」とか一言二言しか話さない
そして笑わない
だから気になった
ついつい目で追うようになった
「・・・・」
「質問に答えろよ。独りが好きなのか?」
スザクはジッとジノを見つめると何も言わず立ち去ろうとした。しかしジノはそれを許さずスザクの手を掴んで引き止めた
「こら。答えろって言っただろ」
スザクはため息をはくとジノを振り返った
その顔は不機嫌そうで、ジノを睨みつけていた
「ああそうだ。僕は 」
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『独りが好きなんだ。だから僕に構うな』
ジノはあの時スザクが言った言葉を口にして聞かせた
するとスザクはパチパチと瞬きを数回繰り返すと、次の瞬間には顔を真っ赤にした
「あはは!何照れてんだ?」
「君っ!もうその事は忘れてよ!」
「忘れられませーん」
「ジノ!」
ぽかぽかとジノの胸を叩いたスザクは「うう〜」と悔しそうにジノを睨む
あの頃は愛想のなかったスザクも今では様々な表情をジノに見せてくれるようになった
そして今では恋人同士
「にしても『独りが好き』ねぇ・・・」
「何?文句あるの?」
ククク・・・と笑うジノにスザクは頬を膨らませる
それが可愛くてジノはますます笑う
「だってスザクって甘えん坊じゃん」
「・・・」
「後、寂しがり」
ジノが、またはスザクが遠征で会えなかった後など、こうして休暇の間べったりと二人きりで過ごす
それはジノが望んだ事ではなく、スザクが望んだ事
決して「寂しかった」と口には出さないが、その目が、態度が「寂しかった」と訴えている
「僕は甘えん坊でも寂しがりでもないよ。それに・・・いまでも独りが好きだ」
「いやぁ、それは嘘だ。スザクは寂しがりだ」
「違うってば」
「違わないよ」
ジノはスザクの頬に何度もキスをしながら「知ってるんだ」と呟く
「・・・何を知ってるんだ?」
「どうしてスザクが『独りがすき』なんて言ったか」
「・・・」
「私はいなくならないよ。スザクを裏切ったりもしない」
だから安心して・・・
ジノは何も言わなくなったスザクに口付けた
ナイトオブスリー ジノ・ヴァインベルグには恋人がいる
それはナイトオブセブン 枢木スザク
元イレヴンの名誉ブリタニア人
独りが好き と言った甘えん坊での寂しがり
寂しがりなのに独りが好き
大きな矛盾を抱えた
大切な恋人
ジノスザ
ラウンズ入りしたスザクは色々な出来事のせいで他人を近寄らせない人間に
それをジノが口説いて37な関係に