帰れないって?
帰れないとどうなるんだ?










今日、出会い
今日、別れる筈だった天使はまだ俺の目の前にいる


本人曰く


「下界に落ちてくる間にエネルギーを消費しちまったみてぇだ」


だから縮んでるだろ?
と自分の身長は本来この大きさではないのだという
・・・・天使って奴等は、エネルギーの量で大きさが変わるのか?


「何だ!?その疑いの目は?本当の俺はもっとでかいんだ!」


思いっきり耳を引っ張られたので、これ以上は追求しないでいようと思う




そして話題はこれからどうするかに移った


「まぁ・・・そのうち助けは来ると思うんだが・・・」


冬獅郎は天使としては上級クラスで部下も何百人といるらしい

自分がいなくなった事はすぐに解るだろう
実は下界に落ちる天使は毎年何人かはいるらしく
最終的に 冬獅郎が下界に居るという考えにたどり着く筈だ と


「問題は助けが来るまでの間、どこで居るか・・・なんだがなぁ・・・・」


ニヤリ と冬獅郎が俺を見て笑った気がした

それは気のせいではなかったようで「なぁ・・・」
と、少し甘えるような声で俺の目線の高さまで浮かんでくる


「ここで会ったのも何かの縁だろ?」


せめて「お前ん家で泊めてくれ」とか
「暫く住まわせてもらえないか」とか
お願いしてくれば可愛げがあるってものなのに・・・


「俺、お前の家で厄介になることに決めたから」


・・・・可愛くねぇ


「ほら、どっち行くんだ?
つーか、飛んでるとますます力を使っちまうな・・・」


ここ良い場所かも


と冬獅郎は俺の服の胸ポケットにするリと入り込む


「家に着いたら茶の一つでも出せよ?
後、饅頭も忘れるな」


一々注文の多い


「そういえば、まだ名前聞いてなかったな」


可愛くない
注文が多い
偉そう
生意気

考えただけで最悪・・・
このままどこかに捨ててしまおうか
つーか一言も「良いぞ」って言ってねぇのに
どうして俺ん家に行く事になってんだよ!?


「・・・黒崎・・・苺?え?一護?・・・ふぅん・・・」


・・・・だけど・・・


「これから宜しくな、一護」




ニコリと笑いかけられて
こくりと頷いてしまう俺って・・・・


バカ?