「いやぁ、黒崎さん
昨日は見事なイチャツキっぷりでしたねぇ」
「・・・浦原さん・・・・」
緊急事態です
そう呼び出され、浦原商店へと急いで行ってみれば
一護を呼び出した張本人はのんびりとお茶を啜っていた
そして先程のセリフである
「ひやかす為に呼び出した、とかいわねぇよな?」
だったらぶん殴ってやる!
そう一護が思ってるにもかかわらず
「勿論、そうに決まってるじゃないですか」
と、この店主は笑いながら言うのだ・・・
「アンタなぁ・・・」
一護が身を乗り出すと
浦原は冗談ですよ、と笑った
「昨日、アナタが日番谷隊長に言えなかった事があるんじゃないかと思いまして」
「・・・・」
「言えないままじゃ消化不良を起こしちゃうんで、
アタシが聞いてあげようかな、と」
まぁ、座って話をしましょうよ
浦原は一護に席を勧めた
一護も大人しくその場に座る
「・・・・」
浦原の言う通りなのだ
昨日、冬獅郎に言えなかった事
「俺のせいかなって思った」
「俺がルキアと出会って、死神の力を手に入れた
全てはそれが始まり・・・俺がこうならなければ
藍染達はまだそのままで、隊長として尸魂界にいたはず」
浦原は何も言わず、じっと一護をみつめて話を聞いている
一護はそのまま続ける
「誰も傷つかなかった
冬獅郎も・・・・泣かなかった」
「全部、俺のせいなんだ・・・・って思った」
はぁ・・・と一護はため息をはいた
話し終わった一護に浦原はお茶を差し出した
「・・・・すみません」
「黒崎さん・・・それは運命、ってやつですよ」
パッと浦原を見るが、帽子で隠されその表情はよく解らない
口元はいつも通り笑っているが・・・
「アタシが崩玉を作ったのも
アナタが朽木さんと出会ったのも
藍染たちが裏切ったのも」
「アタシ、黒崎さん、藍染・・・それぞれの運命だったんですよ」
意外だった
この人の口から「運命」なんて言葉か聞けるとは思っていなかった
漸くそこで気がついた
自分のせいかもしれない
誰よりもそう思っているのは目の前のこの人なのだと
『崩玉』
全てはそれが始まり
「そして、運命に偶然など無いんです
全て必然であり
それぞれの運命が絡み合って明日へと続いていくんですよ」
一護が帰った後
誰もいない部屋で浦原は呟く
「そして、黒崎さん
きっとアナタと日番谷隊長が出会ったのも運命
気づいていますか?
斬月、月を斬るという名のアナタの斬魄刀
もしかしたら・・・いつの日にかアナタと彼は・・・・」
終