あなたの『一番ほしいもの』

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「・・・今日も・・・駄目だった・・・」



一護の『一番欲しい物』を見つけるため、この三日間ずーーーっと一護にくっついて調べているものの、残念ながら未だ発見できていない



しかも・・・『冬獅郎、ニン○ンドーDS欲しがってたよな?俺、懸賞で当てたんだけど、ウチ一個あるからお前にやるよ』と逆に俺が貰ってしまった

おまけに、ちゃんと『そふと』も貸してくれた



「それじゃ駄目なんだってば・・・」



井上宅のソファにうつ伏せに倒れこむ



「明後日はもう誕生日なのに・・・」



激しく落ち込んでるな俺

こんなに落ち込んだのは市丸に

『僕が日番谷はんぐらいの年のころ、もっと背ぇあったような気しますわ。せやから、日番谷はんは、僕ほど大きゅうならんのとちゃいます?』

と言われた時ぐらいじゃなかったか・・・

そしてそれは市丸を本気で殺そうと思った時でもある


「どうしたんです?隊長」

松本か・・・こいつ、解ってるくせに!

何も知りません、解ってませんって顔しやがって

でも、コイツのこーゆー所、嫌いじゃねぇ

「決まりませんか?プレゼント」

「・・・・・ああ・・・」

「ほんっと真面目ですねぇ」

「ほっとけ!」

じゃぁ放っておきます

そう言って松本はガサガサと袋を漁り箱を取り出した

「私と織姫はもう買っちゃいました」

「っんな!」

「二人で一緒に選んだんですよ〜」



松本の持つそれほど大きくない正方形の箱

その中に一護の『一番欲しい物』が入ってるのか?



「ど・・・」

「はい?」

「どうやって一護の一番欲しい物を調べたんだ?」



知りたかった。他ならぬ一護の誕生日

どうしても『一番欲しい物』を贈りたかった

『松本』は『本人』じゃないからルール違反にならねぇよな?



「・・・きっとこれは一護の一番欲しい物じゃないですよ」

え?だって誕生日には、その人の一番欲しい物をプレゼントするんじゃねぇのか?

「これは私と織姫の気持ちです」

「気持ち?」

「お誕生日おめでとう、今日まで元気でいてくれてありがとう、これからも元気でいてねって気持ちを物って形にしてプレゼントするんです」



だから、これは一護の『一番欲しい物』ではなくて、松本たちが『贈りたいもの』なんだそうだ



「隊長も一護の欲しい物、ではなくて贈りたいものをプレゼントすればいいんですよ」





俺が、一護に『贈りたいもの』?