あなたの『一番ほしいもの』

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「おいコラ!いーかげん腕放せっつーの!」



放課後、いきなり石田と井上に拉致られた俺(一護)

放せと言ってんのに二人ともガッチリと俺の腕をつかんで離さない

こいつら華奢なくせにすげぇ力だな



「はーい!到着ですよ〜」

連行された場所はチャドん家

何だ?



ドアを開けて部屋に入るとそこには見知った死神たちの姿

「やぁっと来た〜。おそーい!」

死神の一人、乱菊さんだ。つーか、その手の一升瓶ナンデスカ?

よく見ると一角や恋次に弓親、ルキアも手に持ってるの、あれ酒じゃね?

「黒崎君を捕まえるのに時間がかかったんだよね、石田君」

「逃げ足の速い奴だ」

「うっせ!てか、何やってんだコイツ等」



今日は黒崎君の誕生日でしょ?

井上に言われて、ああそうか と納得した

どうも俺の誕生祝いをしてくれるらしい

でもコイツ等(死神達)はそれよりもただ飲みたかっただけな気がするけど

・・・あれ?アイツがいねぇ



「ほらほら黒崎君。まずはローソク消そうよ」

テーブルの上にはケーキ

この歳になってローソク消すんですか?

絶対やらなきゃ駄目?はい、そうですか

「それじゃ!どうぞ!」

どうぞって井上!

「一護!早く消さねばケーキが食べられぬではないか!」

ケーキ食べたいだけか!俺の誕生日はついでかルキア!

「ったく!いくぞ」

息を吸ってふーっと吹き消す

「「「誕生日オメデト〜」」」

「おう!アリガトな」



井上と乱菊さん、ルキアからはプレゼントを貰った

男どもは「祝ってやってるだろ」と俺そっちのけで飲み続けてやがる



「おい、恋次。聞きたいことが・・・」

「あー!俺のタイヤキ食ったの誰っすか!?」

「よく、酒と一緒にアンコが食えるな」

「気持ち悪くなりそうだよね〜一角」

「えへへ。私が食べちゃった〜」

「井上織姫!俺のタイヤキ!」

「うるさいぞ恋次!」

駄目だ。聞いちゃいねぇ

「乱菊さん、あの冬し」

「ちょっとーお酒無いわよ〜」
乱菊さんの周りには結構な数の空き瓶がゴロゴロ

でも、まだ余裕あるって顔してる

ザルなんだなこの人

よく見るとルキアもへっちゃらみたいなんだけど

死神の女はザルばっかなのか?



「石田ぁ酒!」

「松本さん、酒ぐらい自分で取ってきてください!」

「けちぃ・・・チャードー」

「ム・・」

「茶渡君!」

「はいはい。解りました。最近のコはケチなんだからぁ」

そう言うと乱菊さんはしぶしぶ立ちあがり、キッチンへと向かった

俺もその後を追う



「乱菊さん」

「なぁに?」

乱菊さんは冷蔵庫を開け、酒以外のツマミも漁っているようだった

「聞きたいことが・・・」

「隊長なら来ないわよ」

まだ何を聞きたいのか言ってないのに

ってか、来ないってどうゆうことだ?


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