あなたの『一番ほしいもの』

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7/15 C



やっぱ無理があるよな〜

冬獅郎、考えてるな・・・う〜これが駄目だったらどうしよう



「・・・うん。それでいい」

え?いいのか?自分で言っておきながら何だけど

「そっか?じゃぁ眼ぇ閉じとけ」

俺に言われた通り、眼を閉じる冬獅郎

へ〜睫長いんだな・・・ってそうじゃねぇ!

俺は、そうっと冬獅郎を抱きしめた



「っちょ!一護!?」

慌てて俺の腕の中で暴れる冬獅郎

そりゃそうだよな

俺たちこんなことした事ないし



「プレゼント、ありがとう」

「へ?」

冬獅郎は、ピタっと動きを止めて俺をじーっと見ている

大きな眼を見開いて

それ以上開いたら落っこちるんじゃね眼ん玉



「お前から貰ったプレゼントは、今俺の腕の中にある」

ぎゅっと力を入れて小さな体を抱きしめる

「一護の腕の中?」

「そ。生意気で、いーっつも眉間に皺よせて、周りの大人に負けないように気合入れて隊長やって頑張ってる奴だ」

おまけに照れ屋だ

と、そこまで言ったら足を踏まれた

照れ屋で真面目で馬鹿正直で、大人顔負けの実力持ってて、どこか子供で、それが俺の一番欲しいもの



「・・・それって俺の事?」

「おう。」

「『俺』が一護の『一番欲しいもの』?」

「アタリだ」

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一護の欲しいものは俺

俺でいいの?そんなものでいいの?

何度も聞いた。一護はお前が良いと言った

やっと解った、一護の『一番欲しいもの』

やっと見つかった、俺の『贈りたいもの』


俺の『贈りたいもの』はあなたの『一番欲しいもの』